- スマートライトが動画や音楽と簡単に同期できるようになった
- オペレータを雇ったかのように、機械が動画や音に合うようにいい感じに照明を操作してくれ、没入感のある体験ができる
- アプリはHue公式から無料でダウンロードできる
Hue Syncで何ができる?
スマートライト最大手の1つ「Hue」は、照明を動画や音楽とSync(=同期させる)新しいアプリ「Hue Sync」を無料でリリースしました。
これは、クラブのDJのように、光の演出をパソコンが勝手にやってくれる仕組みです。家にタダで働いてくれる照明担当のオペレーターが1人やってきたイメージですかね。
もともとHueは、スマホなどを使いながら、ライトのオン/オフにとどまらず、明るさや色味を自由に制御することができました。食事をする時は、やや照度を落として暖色系の柔らかい色み。読書をする時は照度を上げホワイトに近い色味、リビングでくつろぐ時はムーディーな電球色、といった具合に「シーン」ごとに光を組み合わせられます。
しかも、Google Homeなどを使って声で遠隔操作したり、スマホの位置情報やモーションセンサーで人が近づくと自動的にライトをつけたりと、使い方はアイデア次第で無限大。スマートライトと呼ばれる所以です。
そこにHue Syncのリリースで、流れている動画や音楽をライトを同期させながら楽しむ新しい使い方が加わったのです。これまでは、自分が主体となってシーンを選んでいましたが、今度はHue側が流れている動画や音楽を判断して、それに合うような光を自動的に届けてくれるのです。とっても未来的ですよね。
実際に使ってみた!
といっても、私自身がそうでしたが、「何さそれ、動画や音楽にあわせて光をどうコントロールってどうすんの?」という人のために、まずは私の自宅での使用例を動画でご紹介します。
臨場感ましまし↑の動画編
Hue Syncの真骨頂は、何はともかく動画とのシンクロです。ディスプレイに映る映像をリアルタイムで解析しながら、使われている色をピックアップしてその色を照明に反映させます。
主に映画やゲームを想定していると思われますが、ウェブサイトを閲覧している時だって、画面に表示されているものならば何でもソースとして使ってくれます。スクロールにあわせて照明が変化するのは、ちょっぴり迷惑だったりもしますが、お茶目です。
自宅のリビングで使ってみた様子を1分30秒の動画にまとめました。ホームシアターに導入すると没入感のある体験ができることが分かります。
動画から抜粋しながら少し噛み砕いていくと・・・
黒みが多いシーンでは、ほんのり光って映像を邪魔しません。
夕焼けのシーンでは、ほぼ完璧に色を一致させた光が灯り、画面が大きく広がったような錯覚を受けます。
ビーチの空撮シーンでは、左側に置いてあるライトは海を反映してコバルトブルーに輝き、右側は砂色に光ってます。
1,600万色を超えるカラーを再現できると謳っているだけあって、色の再現性は現時点でも十分に満足できる精度です。
一方で、細かい点を言えば、とても素早く切り替わるシーンでは、ライトの反応がややもたつく場面がありました。それでも、映像解析→Hueのハブにコマンド伝達→Hueハブから各ライトに指示、こんな流れを瞬間的にこなしているはずですので、かなり頑張っているレベルだとは思います。この先、動画解析のアリゴリズムなどの改良が進めば、ブラッシュアップされていくかもしれませんね。
強調したいのは、こうしたライティングエクスペリエンスが、家庭レベルで簡単に実現できるようになった点です。映画館のうち、4DXに対応したスクリーンでは、雷や爆発のシーンにあわせて補助スポットライトを点滅させる演出があります。Hue Syncはその一歩先を行っています。激しい明滅のシーンだけでなく、一般的なシーンでも臨場感をぐっと高めてくれます。
パソコンの画面をテレビに写す方法はいくらでもあるのですが、今回はAirplayを使ってMacbookの画面をテレビに転送しています。動画もこの方法でテレビに映し出しています。パソコンを直接、HDMIケーブルなどを使ってテレビに接続するとより遅延を減らすことができますね。
パリピ御用達になるか?音楽編
次は音楽とシンクロさせてみました。こちらはおおむね想像通りの結果です。主に低音を感知して、タイミングよく光を作っています。
手持ちのライブラリーにある曲から一通り試してみましたが、どんなジャンルの曲でも卒なくこなしています。とりわけ、ベース音がはっきりした曲との相性が良いようです。
こうした演出が生えるのは、ホームパーティーの時ですかね。友人を招いてクラブ系の音楽をかけながらHue Syncすると一目置かれるのは間違いないでしょう笑
ただ、動画との同期に比べると、普段使いには向いてない気もします。あくまでも私見ですが、それこそクラブ系のアップテンポの音楽を聞きたい時は良いでしょうが、休日にしっとりと音楽を楽しみたいシチュエーションでは、こんなにライトがピカピカしていると落ち着きません。じっとしておいてよ!と言いたくなります。
5分でできる!使い方のステップガイド
Hue Syncを使うには、すでにHueを使っているという前提で、パソコン用のアプリHue Syncをダウンロードした上で、スマホのHueアプリ側でも下準備が必要です。順を追ってやり方をご紹介しますね。
エンターテイメントエリアの設定
Hueをお持ちであれば普段から使っているHue公式のスマホアプリで「エンターテイメントエリア」を作ります。
これは、すでに作成してある「ルーム」にあるバルブのうち、特別な演出をするためのバルブを指定する作業です。Hue Syncで反応するバルブは、このエンターテイメントエリアに指定されたバルブ(最大10個)となります。
まず基本となる「ルーム」を指定します。私はリビングでHue Syncを使いたかったので、「リビング」を選びました。
ここで、Hue Syncで光らせるバルブを選択します。「ルーム」に多数のHueバルブが存在する場合でも、HueSyncに使えるのは最大で10個までという制限があります。
また、動画とのシンクでは精密な色合わせが要求されるので、最新の第3世代のバルブが「推奨」されています。画面にも緑の字で「推奨」と表示されてるので、基本的にはそのバルブを優先して使うと良いでしょう。
私の場合はHueの黎明期から使っているので、複数の世代が混在していました。HueSyncの設定を機会に、これまでバラバラに配置されていた第3世代のバルブをリビングエリアに集結させました。
ライトの電源をオンにしてHueが反応できる状態にして次に進みます。
試しに、たくさん並んだバルブのアイコンのうち1つをタップすると、実際にそのバルブがピカピカと光ります。こうすることでアイコンが実際にどのバルブと対応しているかが簡単に分かるようになっています。
次に、そのバルブのアイコンをドラッグしながら、実際の配置場所に近いように画面上に並べていきます。
私の場合、テレビの左右やソファーの背後に照明器具が置かれているので、画面上でもそのように配置。少し離れたキッチン側にも照明器具があるのですが、それは画面の右側にまとめておきました。
次のステップでは、画面のバルブアイコンの色が様々な色に変化します。実際のバルブも画面通りに光っているか確認して次に進みます。
先程の手順で設定したバルブの物理配置を基にアプリ側でも自動でも検出してくれますが、演出のキーとなるランプを選んでおくと良いでしょう。
すでに長い歴史を持つHueは、第3世代まで進化しています。光量が増えたり、発色がより鮮やかになったりと細かい改良が進んでいて、Hue Syncでは最新世代のバルブを使うよう推奨されています。とはいえ、旧世代と混ぜこぜで使ってもそれほど遜色はありませんでした。
Hue Syncのインストール
パソコン用のアプリは無償で配布されていて、こちらのPHILIPS公式サイトからダウンロードできます。
参考
Hue-Sync
WindowsとMacの両方に対応しています。記事執筆の時点では、日本語版はまだ準備されていないようですがそのうちアップされるでしょう。
Hue Syncアプリの使い方
現時点で日本語には対応していませんが、使い方はとっても簡単なのでまったく問題ないでしょう。基本画面の中段に4つの丸いアイコンがあります。ここでどんなソースと同期させるのかを最初に選びます。
ちなみに、左からシーン、ゲーム、ミュージック、ビデオです。(シーンでは、読書、リラックス、集中、エナジーの4つの基本的な光の演出が選べます。これは映像や音楽との同期とはまったく関係なく、従来のスマホアプリにも用意されている機能です。ただ、パソコンからもシーン選択ができるよういなったという点で意外と重宝します。)
動画と同期させるには、4つのアイコンの右端にはるVideoを選択します。4段階で演出の強度を選ぶことができます。このあたりは、実際に試されてから好みのモードを決めてください。私は、Highがバランスが良いかなと思いました。
- Use Audio for effect
このトグルを有効にすると、映像だけでなく、動画の音声部分にも反応するようになります。たとえば映画などで、激しい雷や銃声のシーンではより効果的にHueSyncを楽しめます。このオプションもお好みで使う感じですね。
Musicアイコンを選ぶと、音だけに反応します。ここでは4段階の反応強度のほかに、カラーパレットを5種類の中から選択することができます。
左端のマルチカラーはありとあらゆる色が演出に使われます。これではちょっとうるさい気がする人は、ほかのパレットを選択すると同系色のカラーを使った演出もできます。
さらに進んだ活用法 海外の事例紹介
海外には”Hue中毒”を自称するツワモノが大勢います。彼らの使い方を参考にするとHueSyncの効果をより体感できるでしょう。
この事例では、テレビの背面にHueライトリボンを配置。さらに両脇には、HueGoを置いています。
天井面にもライトリボンを間接照明として使っていて、空間全体がHueの光に包まれています。ここまですると、Hue Syncの効果が余すことなく発揮されていますね。お金がかかりそうです笑
まとめ
Hue Syncは、これまでになかったスマート照明の使い方を提案する可能性を秘めたアイデアです。最初の設定も簡単で、アプリも直感的に利用できます。
特に動画を使った光の「シンク」が、家庭レベルで簡単に実現できるようになったことは意味深いですね。
気になる遅延も、パソコンから無線でテレビに映像を飛ばすという最も遅延が起きやすい方法をとったとしても許容範囲におさまっていて、アプリの完成度は上々です。
一方、音楽との同期は、すでにサードパーティのHueアプリで同じことが実現できていましたが、そこから一歩進んだ付加価値まではないようです。ただ、従来のアプリがスマホアプリだったことを考えると、パソコンでiTunesやSpotifyを再生させながら気軽に「シンク」できるようになった、選択肢が増えたという点では歓迎すべき動きです。
Hue Syncは、まずはパソコンのソフトウェアとして登場しましたが、今後はテレビやゲーム機そのものにこうした機能を統合するなど、ほかのプラットフォームへの展開も期待したいです。
すげ。。こんなことも可能な世の中なんですね
はじめまして
43UD79Tの記事を見て質問させてもらいます
私もこちらのLGモニターに興味があり購入検討してるのですが4画面をバラバラに表示させるにはPC側にも4つ出力端子が必要になるのでしょうか?
“4画面をバラバラ”が何を目指していらっしゃるかでによります。このモニター付属のソフトなどを使って、画面を擬似的に4分割して、それぞれの領域にウィンドウを開けば4画面になります。その場合、単にウィンドウのサイズを調整しているだけなので、もちろんパソコンは1台、出力も1系統で大丈夫です。
あるいは、別々のPCからの入力を1つのモニター上に統合させて表示させたいのであれば、一工夫必要です。まずPCは4台必要ですし、このモニターは同時に表示できる入力系統が4つもありませんので、まずは4系統の入力を1つにまとめる装置を間にはさむ必要があります。監視カメラのオペレーション用にこういった複数の入力を1つにまとめる装置が売ってあります。そういった装置を経由すれば、4入力でも8入力でも16入力でもできます。