普段ノートパソコンは、MacBook Proの15インチモデル(2017)を使っています。充電のために自宅とオフィスにそれぞれ87Wの純正アダプターを置いています。ただ、この87Wのアダプターは、まるで弁当箱のように大きくて重いのが欠点です。
筆者
MacBook ProについてAppleは、USB-CのPD(パワーデリバリー)規格にあっているアダプターであれば他社のものでも使えると公式に謳っています。
そこで、Appleの純正品以外にも目をやり、旅行や出張で使えそうなコンパクトなアダプターを探した末、Xiaomiの45Wアダプターを買ってみました。
USB-Cは地雷だらけ、規格外の製品が乱立
USB-Cのパワーデリバリーに対応した充電アダプターを探すにあたって、下調べをするばするほどUSB-Cをとりまく環境がカオス化していることが分かります。
なにせ規格が複雑で分かりにくい。コネクターの外観こそ同じでも中を通るUSB信号の規格、ケーブルの抵抗などによって、バリエーションがあまりにも多すぎます。
それをきちんと理解した上で、「このアダプターにはこのケーブル」、「この周辺機器にはこのケーブル」と言った具合に組み合わせないと本来の性能が発揮できないため、まるでパズルのようです。
その上、粗悪なケーブルやアダプターが数多く出回っていて地雷だらけです。製品のレビューや口コミをみてもいまいちピンと来ずに、雲の中を漂っている気分になります。
参考
USB Type-C製品レビュー 一覧HANPEN-BLOG
USB-Cは、まだまだ黎明期といえばそれまでですが、早く一般の消費者が迷わず、そして知らずに地雷を踏むことがないような環境が整って欲しいものです。
結局、HANPEN-BLOGさんの記事を多いに参考にしながら、スマホやタブレットを中心に日本でもすっかり有名になったXiaomiのUSB-Cアダプターを買ってみました。(購入先は記事の一番下にまとめています)
製品のオーバービュー
どこの馬の骨か分からない製品を中国から輸入するのに比べると、Xiaomiはネームバリューがある分、いくぶん安心感があります。箱もAppleよろしくの白くシンプルなパッケージです。
こちらが45Wの電源アダプターです。USB-Cのポートを1つだけ備えています。それ以外は何もありません。無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインです。角には軽くラウンド処理が施されているものの、余計なデザインやロゴの刻印もなく、チープさがなくて好印象です。質感も十分ですね。
スペック・対応している電圧
外装の裏には、製品の規格が書いてあります。もちろん公式ページでも確認できますが、ここに抜き出しておきます。
メーカー | Xiaomi (小米) | |
型番 | CDQ02ZM | |
入力 | 100〜240V | 50/60Hz 1.2A |
出力 | 5V=3A 12V=3A 20V=2.25A | 9V=3A 15V=3A |
PDでオプション扱いの12V=3Aにも対応しているので、幅広い機器に使えそうです。入力電圧も100~240Vなので、世界のほとんどの国で変圧器無しにプラグだけ用意すればそのまま使えます。旅行に持ち出すのにも適していますね。
さらに、QualcommのQuick Charge 3.0にも対応していると謡っています。もっともHANPEN-BLOGさんによると、このOC3.0対応が故にUSB-Cの規格からはずれてしまっている面もあるそうですが・・・。
認証マークは本体に表示されています。PSEのマークはないので、日本では個人が専ら私的に使うために輸入しないと関連法に違反してしまうので注意が必要です。(これはすべての電子機器を輸入する際に言えることです)
USB-C充電ケーブルもセットでついてくる
ありがたいことにUSB-Cの充電ケーブルが同梱されています。ちなみにApple純正の別売りアダプターにはケーブルついてきません。PD(パワーデリバリー)に対応したUSB-Cのケーブルは、それだけで2,000〜3,000円ほどするので、オトクですね。
プラグは折りたたみ式
コンセントに差し込む部分は、Aタイプなので日本やアメリカでそのまま使えます。そして、プラグ部分は、折りたたんで本体に収納できる作りになっています。カバンに入れる時など、突起物がないと何かと収納しやすくて助かります。
固体コンデンサやTOSHIBAチップなどまともな作り(らしい)
出力には、固体コンデンサを使用、高品質の充電器の標準です。
WeiQuan WT6632Fチップを確認。FPDとQC3.0をサポートします。
こちらの中国のサイトに分解レポートが写真付きで載っていました。私は、電気工学は分からないのですが、中を見ると、少なくとも粗悪な部品の寄せ集めというわけではなさそうです。あくまでも自己責任の利用になりますが・・・。
Apple純正87Wとの比較
おなじみの”Appleお弁当箱”こと87Wアダプターです。大きくて重いです。IntelのNUCぐらいあります。
ただ、87Wが出力できるUSB-Cアダプターは現状、これくらいしかありませんので自宅やオフィスではどうしてもこの子に頼らざるをえないですね。
並べてみました。大きさの差が際立ちます。Xiaomiのものは、目算で3分の2ぐらいでしょうか。そもそも出力が違うので、サイズが違うのは当たり前ですが、やはり持ち運びには、これぐらいのコンパクトさが理想です。
付属ケーブルを比べてみた
Appleのアダプター(別売り品)にはケーブルが付属しませんので、MacBookPro15インチに同梱してあった充電ケーブルとXiaomi付属のものを比べました。
コネクターの形も色もそっくりです。Xiaomiのケーブルを87Wに間違ってつながないようにしないといけません。
端子を近くで見ると若干ですが違いがありました。Appleの方は、銀のプラグの生え口の周りがグレーになっています。これで見分けられますね!
重さは3分の1、体重測定
電子メジャー持ってないんです。精度には目をつぶりキッチンメジャーで重さをはかると、Appleの87Wのものはおよそ280gもありました。重いはずですね・・・。
対するXiaomiの45Wは、およそ100g。手にすると測定値以上に両者の重さには違いを感じます。
無事に45W充電を確認
MacBookProにつなぐときちんと認識し、充電が始まりました。「システム情報」を開くと、つないでいる充電アダプターに何Wの能力があるか確認できます。
Xiaomiの公称どおりに45Wでつながっていました。
もちろん出力が半分なので、標準でついてくる87Wのアダプターよりも充電時間はゆっくりになります。1週間ほど使用した実績では、おおむね3割ぐらい遅いです。ただ、私の場合は、外出時の「安心」のためにアダプターが欲しかったのでこれで十分です。
そもそも、15インチのMacBookProは、バッテリーのもちもそこそこ良いですので、充電の速さよりもアダプターの大きさと重さが重要です。
スピードはゆっくりでいいから持ち運び用にコンパクトなアダプターが欲しい!そんな人にはいいですよ。
参考
小米USB-C电源适配器(45W)Xiaomi(Mi)オフィシャルストア
公式ストアでは94CNY(約1,600円)で売られていますが、中国国内にしか発送してくれません。日本から個人で輸入するには、転送業者(フォワーダー)を使うか、もしくは下の通販サイトから購入できます(アフィリエイトリンクではありません)。記事執筆の時点でGear Bestでは4,200円ほど(送料86円)、Bang goodでは3,200円ほど(送料無料)で売られていました。おおむね公式ストアの2倍ほどしますが、それでも十分安いと言えますね。