Intel AC8265でパソコンをBluetooth4.2対応にする

close shot of Intel AC8265 chip, wifi bluetooth module

デスクトップにもBluetoothを![su_highlight background=”#efd62b”]用途はともかく最新の4.2にしておきたい![/su_highlight]というのがこの記事のきっかけ。メーカー製のパソコンで圧倒的な採用実績があるインテル製のWifiとBluetoothチップを自作パソコンで使えるようにします。

ノートパソコンではすっかり当たり前になったBluetooth機能は、パソコンで音楽を聞いたり、マウスやキーボードをつないだりと重宝しますよね。私のショップ製パソコンには、Bluetooth機能(無線LAN機能も)なかったので、これを期に高性能なチップを導入することにしました。

そもそも、ただ単にBluetooth機能をパソコンに加えたければ、1,000円から1,500円ほどで売られている安いドングルを買ってくれば、とりあえずは事足ります。ただ、USB端子が常にふさがっていしまったり、どこの馬の骨か分からない製品で相性問題があったりと何となく不安です。また、こうしたドングルタイプのものは対応しているBluetoothのバージョンが不明だったり、古かったりするおそれもあります。

ならば、ほとんどのメーカー製ノートパソコンで使われている(といっても過言ではない)1チップで無線LANとBluetoothを提供するIntel製の最新チップAC8265をデスクトップにも流用すれば、手っ取り早いと考えました。ドライバーも随時アップデートされていますし、安定性には期待が持てそうです。

チップを入手するまでの道のり

複雑怪奇なM.2のKey種別

このところのIntelの内蔵型Wifi-Bluetoothチップは、M.2カードとして提供されています。M.2カードといえば、SSDでよく使われるあの小さなスロットですね。ただ、注意が必要なのはM2カードを刺すマザーボードのスロットにもいくつかタイプがあります。微妙に形が違っていて、カード側とマザーボード側のそれぞれの切り抜きが合わないとインストールできません。

[su_highlight background=”#efd62b”]M.2スロットには、A, B, E, F, Mのなんと5種類ものKey(端子の切り抜き)があります。[/su_highlight]
なんだそりゃ!笑、どうしてこうなったんでしょうね。ユーザーの立場からしたら統一して欲しいものですよ、ホントに・・・。というわけで、最近のマザーボードには標準でM.2スロットが備え付けられていますが、まずは、自分のマザーボードのM.2スロットのKey種別が何かを確認するところから始めないといけません。

MEMO

結論からいうと、Intelの最も新しいWifi-BluetoothチップAC8265のKey種別は”A”か”E”です

ですからマザーボード側にもKey”A”もしくは”E”のM.2スロットがあれば良いことになります。ところが、残念?なことにデスクトップ向けのマザーボードが積んでいるM.2スロットは、たいていSSDでの利用を想定したKey”B”もしくは”M”のものが多いです。

私が使っているマザーボード MSI Z270 GamingKraiteには2つのM.2スロットがありますが、いずれもKey”M”でした。ややこしいのは、ホームページではM.2スロットのKey種別までは記載されておらず、マニュアルを参照しない限り分かりません(そもそもM.2のKeyなんて今回のIntelチップを購入するにあたって下調べしなかったら知りませんでした・・・)

筆 者

ノート向けのマザーボードやIntelのNUCなど小型ベアボーンなどは、Wifiモジュール用としてKey”A”を持つものがあります。そのようなマザーボードであればチップだけを買っても大丈夫です。そうでない人(私のような)は、後で紹介するようなKey”A”のM.2スロットを持つ拡張カードを別途入手しなければなりません。

チップ単体は通販で

チップそのものはAmazonやebay, Aliexpressなどの通販で容易に入手できるはずです。[su_highlight background=”#efd62b”]”Intel AC8265″で検索する[/su_highlight]とすぐに見つかります。海外の通販ですと送料込みでおおむね1,500円から1,800円ほどが相場でしょうか。

Specsheat AC8265

AC8265のスペック(IntelのHPより引用)

マザーボードとの接続はPCI-eアダプターで

M.2 key Aに対応したPCI-eカード

通販のページでチップを探しているとPCI-eアダプターもセットで売られているケースが少なくありません。このPCI-eカード上には、KeyAのM.2スロットがありますので、一度チップをこのカードにつけて、さらにそのPCI-eカードをマザーボードに刺すという具合に使います。アンテナとセットになっているものでおおむね2,000円ぐらいです。

チップの違い

製品名発売時期Wifi認定最高速度WifiバンドBluetooth
Dual Band Wireless-AC 82652016 Q1802.11ac867 Mbps2.4 GHz, 5 GHz[su_highlight background=”#efd62b”]4.2[/su_highlight]
Dual Band Wireless-AC 82602015 Q2802.11ac867 Mbps2.4 GHz, 5 GHz[su_highlight background=”#efd62b”]4.2[/su_highlight]
Dual Band Wireless-AC 72652014 Q3802.11ac867 Mbps2.4 GHz, 5 GHz4.0
Dual Band Wireless-N 72652014 Q3802.11agn300 Mbps2.4 GHz, 5 GHz4.0
Wireless-N 72652014 Q3802.11agn300 Mbps2.4 GHz4.0
Dual Band Wireless-AC 72602013 Q2802.11ac300/867 Mbps2.4 GHz, 5 GHz4.0
Dual Band Wireless-N 72602013 Q2802.11agn300 Mbps2.4 GHz, 5 GHz4.0
Wireless-N 72602013 Q2802.11bgn300 Mbps2.4 GHz4.0

IntelのWifi-Bluetoothチップのモデル履歴をまとめました。ほぼ毎年のように新しいモデルが登場しているのが分かります。

今のところAC8265(第4世代)が最新です。古いモデルも並行して流通していますので注意してください。とはいえ、AC8265(2016年モデル)とAC8260(2015年モデル)は、簡単なスペック表を見比べもその差が分かりません。Intelの製品ページに飛んで、PDFに書かれた詳細をよく読み込まない気づかないレベルです。

8265は基本的な性能は前のモデルと同じようですが、新たに[su_highlight background=”#efd62b”]802.11acのWave2規格[/su_highlight]がサポートされています。wave2規格では、複数のアンテナで同時に通信するMIMOがさらに進化して、複数のユーザーが同時にMIMOできるマルチユーザーMIMO(MU-MIMO)機能が加わりました

まぁ、要するにより速くなったということでしょう笑。ただポテンシャルはあるのかもしれませんが、いかんせんアンテナ入力が2つしかないので、どこまで進化したMIMOによる恩恵が実行速度として現れるのかは分かりません。また、規格上は、通信に使う周波数の範囲(チャンネル幅)が従来の80Mhzに比べて2倍となる160Mhzモードもあるはずですが、AC8265の詳細には80Mhzとしか書かれていません。この機能は実装されているのかどうか不明です。

Bluetoothのバージョンによる違い

さて、ここまで主にWifiについてみてきましたが、表題の通り本命はBluetoothです。私の場合、デスクトップ環境では有線のLANケーブルをつないでいるのでWifiの機能は重要ではないからです。Wifiはあればいいなという保険ぐらいです。

上のスペック比較の表を見ていただくとわかりますが、AC8260(2015年モデル)以降は[su_highlight background=”#efd62b”]Bluetoothのバージョンが4.0から4.2に上がっています[/su_highlight]。BLEと呼ばれる省電力機能や転送速度が向上しているのが特徴です。

iPhoneでは6s以降はiPhone7までこのBluetooth4.2をサポートしています。現在の主流のバージョンです。


インストール

こちらがAC8265をアダプター上のM.2スロットに刺した状態です。メモリーのように一度斜めに刺して持ち上げるのではなく、並行にぐぐっと押し込むだけなので簡単でした。

赤い丸枠の部分にアンテナにつながる線をつなげる

ただし、アンテナをつけるところ(赤丸)が非常に小さいです。半田付けは不要でパチッと押し込めばつながるのですが、とても小さいので指で押し込もうにも難儀します。メガネ用の細いドライバーをあてるといいのかもしれません。私は、四苦八苦しながらなんとか指で押し込みました。

カードブランケットには外付けアンテナを取り付けるためのスクリュー型の端子があらかじめ備え付けられています。

Bluetooth機能を使うには、マザーボード内部のUSB端子と接続する

Wifi機能だけを使いたい場合は、PCIeスロットに刺すだけでいいのですが、Bluetooth機能も使うには、内部でUSB接続する必要があります。マザーボードには内部接続するための端子があるはずですので、それとカードをつなぎます。

まとめ

ブランケットの外側にアンテナを取り付ける

最後にアンテナを取り付ければ完成です。あとはパソコンを起動すれば特段ユーザー側でドライバーをインストールせずともOSが自動的に認識してWIFIもBluetoothも使えるようになりました。
Intelのホームページにはドライバーも用意されていますので、インストールするとより多くの機能が使えるようになります。

チップとPCIeアダプターであわせて3,500円ぐらいでデスクトップパソコンにWIFIとBluetooth機能を持たせることができました。

6 COMMENTS

BAO

記事に出てくるものは型番は不明ですがebayで買った中華製のものです。ご参考までにURLを貼りますが、もっと安いものや良いものがあるかもしれませんので「NGFF PCIe M.2 WIFI」あたりをキーワードに検索されてみてくださいm(_ _)m
http://www.ebay.com/itm/Wireless-Card-M-2-NGFF-to-PCI-e-1X-Desktop-WIFI-WLAN-Card-Bracket-for-8260-7265/142140523903?ssPageName=STRK%3AMEBIDX%3AIT&_trksid=p2057872.m2749.l2649

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taku

有難うございます。参考にさせていただきます。
良さそうな物を探すのに苦労していたので、とても助かりました。

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永倉えみる

 MHF4コネクターはm2.WiFiアダプタの端子に接続するのが難儀なため、私はバカ高い冶具(IPEX 90435-001)を購入しました。この冶具を使ったら、端子やコネクターを損傷してしまうことに比べたらはるかにまともと思いました。

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匿名

bluetoothを使うにはUSB部分を使用する必要があったんですね
有用な情報感謝です!

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